メインコンテンツへスキップ

ガイド

英語多読のやり方:三原則と、無料で始める教材の選び方

英語多読とは、辞書を引かずに読める易しい英語を大量に読み、語彙と語順の感覚を身につける学習法です。原則は三つで、辞書を引かない、分からないところは飛ばす、合わない本は途中で捨てる、というものです。うまくいくかどうかのほとんどはレベル選びで決まり、辞書なしで筋が追えて、1ページに知らない単語が数個までのものが適正な水準です。段階別読み物や、無料で読めるやさしいニュースサイトから始めれば、費用をかけずに続けられます。

三原則:辞書を引かない、飛ばす、合わなければ捨てる

多読の原則として日本で広く共有されているのは次の三つです。一つ目、辞書を引かない。知らない単語のたびに手を止めると、話の流れも集中も切れ、読む速度が上がりません。二つ目、分からないところは飛ばす。一文まるごと分からなくても、次の段落で話が見えてくることは珍しくありません。三つ目、合わない本は途中でやめる。義務感で読み切っても量は伸びず、読むこと自体が嫌いになります。この三つは手抜きの許可ではなく、量を確保するための設計です。精読や文法学習を否定するものでもありません。多読は語彙と語順の感覚を体に入れる係、精読は正確さを詰める係、と役割を分けて考えると、どちらも続けやすくなります。

レベル選びを外さなければ、多読はだいたいうまくいく

多読が続かない原因のほとんどは、難しすぎる本を選ぶことです。判断は単純で、辞書なしで話の筋が追え、1ページに知らない単語が数個までなら適正、それ以上なら一段下げます。自分には簡単すぎる、と感じるくらいがちょうどいい水準です。教材としては、使う語彙と文法を制限して書き直された段階別読み物(graded readers)が扱いやすく、Oxford Bookworms、Penguin Readers、Cambridge English Readers といったシリーズはレベルごとに使用語彙数が明記されています。児童書や、すでに日本語で読んだ話の英語版も入り口として有効です。内容を知っているぶん、知らない単語を文脈で埋められます。読んでいて息が詰まるなら、それは根性の問題ではなく、レベル選択の問題だと考えてください。

無料で読める英語をどこで手に入れるか

多読はお金をかけずに始められます。著作権の切れた作品を集めた Project Gutenberg は、日本の青空文庫にあたる存在で、古典を無料で読めます。ただし文体が古く語彙も広いため、最初の一冊には向きません。易しい英語がほしいときは、Simple English Wikipedia や、レベル別に書き直されたニュース(News in Levels、Breaking News English、VOA Learning English など)のほうが実用的です。図書館も見落とされがちな選択肢で、多読用の洋書コーナーを持つ公共図書館や大学図書館があり、段階別読み物をまとめて借りれば費用はかかりません。有料の教材に踏み出すのは、無料の材料を読み切ってからでも遅くありません。

毎日開いているフィードは、すでに多読の材料になっている

多読で本当に難しいのは、読む時間を確保することです。ここで見落とされているのが X や Reddit のフィードです。多くの人にとって、これは毎日、自分から進んで読んでいる唯一の英語です。話題は自分の興味そのもので、一つの投稿は短く、途中でやめても罪悪感がありません。もちろん万能ではありません。SNS の英語は崩れた文法、略語、皮肉が多く、段階別読み物の代わりにはなりません。位置づけは、量を積む場所です。X は投稿の翻訳機能を無料で持っていますが DM は対象外で、Reddit の web には翻訳機能がありません。原文を消さずに訳を横に並べたい場合は、Yaply のような拡張機能を使う手もあります。訳を見る前にまず原文で推測する。この順番さえ守れば、フィードは十分に多読になります。

Yaply でのやり方

  1. 1

    一番易しい一冊を選ぶ

    書店や図書館で実際に開いて決めます。1ページ読んでみて、知らない単語が数個までで話の筋が追えるものにします。迷ったら必ず易しいほうを選んでください。児童書や、日本語ですでに読んだ話の英語版も有力な候補です。ここで背伸びをすると、多読は三日で終わります。

  2. 2

    辞書を閉じて20分読む

    タイマーを20分に設定し、辞書とスマートフォンを手の届かない場所に置きます。知らない単語が出ても止まらず、そのまま先へ進みます。読み終えたら、内容を日本語で一行だけ書き残します。正確に訳せたかではなく、話が分かったかどうかだけを確認します。

  3. 3

    合わない本はその場でやめる

    つまらない、重い、進まないと感じたら、途中でも閉じます。読み切る義務はありません。やめた本は捨てるのではなく、いったん脇に置いておきます。半年後に読み返すと、同じ本が急に軽くなっていることがあります。それが実力の目安にもなります。

  4. 4

    読んだ量を記録する

    日付、書名、語数、面白かったかどうかだけを残します。段階別読み物は総語数が奥付や表紙に書かれていることが多く、記録に使えます。日本の多読では100万語が区切りとしてよく使われますが、数字は目的ではなく、レベルを上げる判断材料として扱ってください。

  5. 5

    読む場所を生活の中に固定する

    寝る前の20分、通勤中、昼休みなど、時間帯を先に決めてしまいます。決めていない時間は読書に使われません。本を持ち歩けない日のために、スマートフォンでも読める材料を用意しておくと、途切れずに続きます。フィードを開く時間もその一つに数えられます。

よくある質問

多読と単語帳、どちらを先にやるべきですか。

順番というより役割が違います。単語帳は知らない語をゼロから入れる作業、多読はその語に文脈の中で何度も出会わせて、使える状態にする作業です。中学レベルの語彙や基本文法が怪しいと感じるなら、そこだけ先に固めたほうが多読も楽になります。逆に、単語帳だけを何周しても読む速度は上がりません。

どのくらい読めば効果が出ますか。

期間には個人差が大きく、何時間で伸びると言い切れる数字はありません。判断材料になるのは、以前は重かったレベルの本が楽に読めるようになったか、同じ時間で読める量が増えたかどうかです。記録をつけておくと、この変化を自分で確認できます。

分からない単語を飛ばして読んで、意味があるのですか。

ほとんどの単語が分かる状態で読んでいるなら、残りは文脈から埋まっていきます。問題になるのは、飛ばす量が多すぎる場合です。飛ばしてばかりで話が見えないなら、読み方ではなく本の難易度が合っていません。一段下げれば、飛ばしても筋は追えるようになります。

SNSの英語でも多読になりますか。

量を稼ぐ材料としては有効です。興味のある話題を、毎日、強制されずに読めるという条件は多読と相性がよいからです。ただし文法が崩れた投稿やスラング、内輪の省略も多いため、書き言葉の型を身につけたいなら、本や記事と組み合わせるのが現実的です。